長野県の建築設計事務所 スタジオアウラ一級建築士事務所

ブログ BLOG

Apr 26, 2023

第1回 JIA長野建築賞2022表彰式

第1回 JIA長野建築賞2022
「大町八王子神社授与所」が入賞し表彰式に参加させていただきました。

審査員 内藤 廣(株式会社 内藤廣建築設計事務所)先生の
建築家としての姿勢、人間性、背景を含め建築を読みとく力に圧倒され
応募からこの日まで葛藤と再構築を繰り返す日々でした。

古い著書から最新の著書までバイブルの様に日常生活の一部として
読みふけり
建築をつくること場をつくることへの情熱と新しい使命感と共に
生きていく覚悟が生まれました。

著書の一説です。建築の難問 新しい凡庸さのために
以下引用
相互理解の触媒としての建築という言葉
コミュニケーションの触媒として建築を創ろうとするならばそこの捉え方や考え方が
変わることで建築家が機能していく

そこには「和解の姿」関わってくれた全ての人への呼びかけであり
関わってくれた人がすべて元気になること生きている意味を見出すことです。

引用ここまで

内藤先生の存在そのものが「和解」を生み
周りの人が自らの関係を含めて和解していく
私たちは一人の建築家の存在がいる
その場を体感することで
進むべき道を探し出せました。

JIA長野県クラブの皆さん
写真をまとめてくれた尾日向さんありがとうございました。

以下再掲
賞を頂く意味は事業主の励みになること、作品を省みて思考過程を振り返ること。
応募の締め切りは仕事に追われ意味を問い一人の建築家を審査員とする賞に応える過程と問答で魂を揺さぶられ
内藤 廣氏の著書を読み作品を見、建築の原点を思考し自らの姿勢を問い
結果
私たちの歩いて来た道を誇りにこれまで通り進んで行く意思を強く持ちました。
意思とは人と将来を見据え意匠性、構造関係性の融和に人、歴史、周辺環境の関係性を含めた空間を建築とすることです。

JIAの建築賞の為に多くの時間を費やしてくださった八王子神社の平林さんご夫妻、審査員の内藤 廣氏
関係者の皆様、施工してくれた山共建設、庭の三楽、スタジオM4に心から感謝を申し上げます。

Apr 04, 2023

春の小川通信

毎年何回か塩尻市特定非営利法人 春の小川さんから通信が届きます。
2018年竣工した建て替えたグループホーム「こぶなの家」
2020年竣工した作業所「ちゅーりっぷ」を設計監理させていただいた
ありがたいご縁。
読み進めると建物を活用している様子が伝わってほっとします。

通信のA3両面に綴られた理事長はじめ所長や世話人さん達の思いの中に
感謝とありがとうという言葉が本当に沢山出て来ます。

理事長の好きな言葉「分別の寛容は仁愛なり」つい不寛容になりがちな今日この頃
心にとどめて行きたい言葉

そして
現代的な言葉でエシカルを調べると
「お互いさま」「もったいない」「おてんとうさまが見ている」の精神に近いのではないか。
との見解これも心にとめていきますね。

2018年 冬 あっという間に5年

Sep 26, 2022

八ヶ岳高原音楽堂とランドスケープ

八ヶ岳音楽堂は1988年リヒテルと武満徹を音楽アドバイザーに建築家 吉村順三により誕生
使いながら後世に残す意図で23日開催された
討論会とギタリスト壮村 清志さんのギター演奏を体感しました。
登壇者のひとり手嶋 保さんは作品の通りの素朴な方で
また共栄木材さんでお会いできるのを楽しみにしております。
初めの頃より今の方がギターの響き方が良くなったとのお話しで
木の特質室内環境に順応しながら少しずつ各所に隙間ができていくこと
各部材の勾配そしてその取り合いの緻密な収まりや木の使い方
行く都度新しい発見があります。


その主旨のように音楽堂も大切に使われていますが
あちこちにメンテナンスが必要になり
「コンサート」は大切な収入源のひとつです。
今まで3回ほどコンサートで
そのドラマチックな会場と時の移り変わりを楽しみました。

たためる椅子再生プロジェクト
音楽堂の当初からの250脚の内、壊れてしまった椅子を再生

限定販売に当選し翌日お迎えに行きました!
・収益は自然郷の森の再生プロジェクトとして記念植樹に充当されるとのことです。

思いがけず二度音楽堂を楽しみ
そしてメンテの必要な部分などお話しを聞きながら
これからもコンサートに参加することで貢献出来たらと思います。

Aug 18, 2022

谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館


寺町からのファサード

金沢中心部は浅野川と犀川のふたつの川と三つの丘陵地が特徴で
そのひとつ寺町と犀川の間の丘陵地に建つ建築館
建築家 谷口吉郎の生家の土地に建つ建築と都市のための小さなミュージアム

藩政期建築、近代建築、現代建築まで金沢は「建築の町」と自伝に記されているように
奥深いそして美しい場所でした。

建築は
丘陵地に階段と通路を設け犀川へ
この通りを繋いだこと
閉ざされていた場所に風景を繋ぐこと

かつて犀川添いに住み寺町との間の隔壁の様な丘陵地を自転車で行ったり来たりした自分にとって
まず物語と映像を描く建築の在り方
そしてこの場所性が建築に寄って開かれて行く意味を感じることができました。

暮らしたのは1993年~1997年(イタリア留学を挟み)1999年~2002年
金沢城跡地から金沢大学が移転し橋爪橋と橋爪門など五十間長屋と整備がはじめられた頃

特にイタリアから帰った3年間は犀川を眺められる
犀星通りのハイツに暮らし
犀川の流れを楽しみ慈しむ芸術と座禅と建築にのめり込み図書館に通う
抒情詩を描く様な暮らしでした。

生まれ育った奈良井川の音と
犀川の傍に暮らす日常を重ねて
朝目覚めた時には全てが初めから生きることを
許されたかのように錯覚してしまうほど。

生きることや日々の暮らしや仕事の悩みに翻弄され
この場所性、豊かさや建築に充分に浸るまで金沢を知ることもせず
ひたすら本と妄想の中で若き悩みを抱いて。

それでも
今回の訪問で近くにあった優れた建築と文化が
間違いなく自分の一部であると感じとれました。

Jun 20, 2022

脇田邸(軽井沢)2008年

建築家 吉村 順三設計の軽井沢 脇田邸
建築当時周辺は森であったが、市街化が進み現在は賑わいのある3階を超える建物に囲まれるように建つ
その中には境界を守るかのような庭があり
建築は1階は大きなピロティで構成され2階が居住スペース
豊かな活動領域が人々の交流を促すようだ。

内部で構成された家具と使い勝手の良いキッチン
そして開口のディティール
最良の場所をいつも教えてくれる。

PAGE TOP