長野県の建築設計事務所 スタジオアウラ一級建築士事務所
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1週間の休みを頂きフィンランドへ行って来ました。
二人共、20年ぶりのヨーロッパで本当に一念発起で施主の皆様、現場の皆様にご理解を頂きありがとうございました。
走り続けて来たこの20年、特に事務所を塩尻へ移してからは忙しく
実家の長崎へも2泊が限度、国内旅行も(猫もいるので・・)2泊までと勝手に思い込んでいた気がします。
本で読んだ知識が増えて行くにつれ
時代がインスタグラム、写真が拡散し実と虚の境界が曖昧な今の時代にあって
現地に行き実物に触れ感じ得た気持ちほど大切なものはありません。
自分たちのそうした危機意識が
急な思いを駆り立て実現するに至りました。
また親を見送り(私の母はありがたいことに健在)
今年大切な叔父叔母を見送った際に「自分の時間を大切にするように」
言葉をもらった事がきっかけです。
フィンランドでヘルシンキを中心に工業が盛んで市街地や交通網トラムを創り変えている渦中のPORI(ポリ)
ウーシマ―、湖に囲まれたユバスキュラと電車やバスを乗り継いで移動して来ました。
また旅行記はきちんと書き残して行きたいと思います。

アアルト大学図書館
昨年引き渡しをしました二世帯住宅の外構工事
あと一息で完成します。
話は変わりますが
土地の調査で様々な市町村へ出向きます。
例えば東御市、松本市、塩尻市
その中で危機感のある自治体の若い世帯への応援体制に感銘を受ける事がありました。
農地転用の書類を受け取りましたがその後電話があり他に必要な書類も郵送してくださるとのこと。
この場所なら住む方も安心して移住できそうです!
その市町村の印象は
窓口業務の人により「まち」への思いが大きく変わっていく事を実感しました。
最近、嬉しいことに松本市内の敷地調査も増え
河川法申請を必要な場所での設計は初めて・・
昨日奈良井川改良区へ出向き松本市内の生活は河川とは切り離せないと改めて実感。
同時にこちらの不足を補おうと担当者さんが
土木と建築の異なる部分、図面の読み方、成り立ち、レベルの読み方まで
教えてくれました。
私は奈良井川の左岸で生まれ育ち
川の流れのある場所に戻りたいと潜在意識の中で感じています!
金沢、フィレンツェ、京都と暮らす中でひとと川との関係がとても好きで
更にその思いが強くなりました。
河川に近い計画は気候と予想される事態と向き合い
より心情に寄り添った住宅が出来る様に考えて行きたいと思っています。
写真:IPPEISHINZAWA
少し前まで森の中で暮らしたいと思っていました。
実現する人も多く
日々静かに自然と向き合う暮らしにも憧れます。
しかし樹木の手入れや草むしりが必須の暮らしが自分たちに出来るだろうか?
現実を考えるとハードルが高いことに気がつきます。
昨日の夜は
アングラな素敵な場所でお施主さんのバンドユニットのライブに行き
その前の日は
子供の遊べるこれまた自由奔放なCAFEで子供たちの声に囲まれ住宅の打ち合わせ。
見た事のない景色を
またお施主さんとの出会いから見せてもらう。
人が生き生きと自分らしく輝いている場所に触れ合うと
これもまた「森」の中にいるよう・・
私達の生きる「森」は
こんな風に混沌と時に賑やかで時に音楽と趣味に生きる大らかな人のいる「場所」なのかも?と
最近感じています。
ふと周りを見渡すと
個性のあるしっかりとした生き方を持つ
人たちと関わることが出来ていること。
それが一番大切で幸せなことです。

庭と暮らす家
草屋根の家
時代が変わり、自然が変わり
おのずと敷地との向き合い方も変わり
住まい方ももちろん多様化しています。
分譲地が当たり前の様に四角の区割りで整備され
大多数の住まい手にとっては当たり前の様に利便性の良い場所となりますが・・
一方では
自然の形を受け入れ自然と共に
暮らすという選択肢も欲しいものです。
その為には整備されていない現状を寛容に考えられるかということになります。
変形地で宅地延長が長い敷地を楽しいと考えるか不自由と考えるか人それぞれですがまたそれも「自然」の要求で人が作ってきた場所と考えれば良い場所となるのではないでしょうか?
