長野県の建築設計事務所 スタジオアウラ一級建築士事務所
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大雨で九州が大変な事態と考えていたら
長野県も強い雨で不安な日を過ごしていました。
幸いこちらは何事もなくほっとしていますが
近くにも上高地に取り残された方もいます。
安心して暮らす事さえ難しい気候ですが
そんな中でも家族写真にはほっとします。

外構工事進んでいます。
基礎工事で出た土を生かしたアンジュレーション
水はけを考えた建物周りの砂利石
設計者側の設計意図と要望を伝えていつも密に進めています。
株立ちのヤマモミジ ヤマボウシ リビングから見えるダンコウバイ
地元の山から切り出した材を使った住宅の考えに添った樹種の選択と施主さんの人柄にあった黄色のダンコウバイさすがです。
庭:三楽

新月伐採してから
紆余曲折しながら進んで来た林家(りんか)が竣工します。
初めての出会いの際に山の話はなく
進んで行く過程で栗の木の話山の木を薪にしている実家の話から近くに山がある事を知りました。山の木を使う事は以前弟さんの家を建てた際「使うことができなかった」経験から諦めていた様子。
確かに伐採、搬送、乾燥まで時間も費用も必要でそれが出来たのは両方の家族の協力のお陰です。
また施工者側の多くの努力と協力で実現しました。
寄棟屋根を支えている大黒柱は山から切り出したヒノキ材生活空間を阻害しないスペースに据えたことで
屋根の中心が微妙にずれています。4方向で屋根の形、角度、すべてが異なり√計算をして手加工
現場に入ってからも大工さんが√計算また計算では想定できない部分は角度毎の型紙をつくり
垂木を切り込み、軒先の収まりなど、この仕事をやり遂げる力のある大工さんが居てくれて良かったと心から思います。
誰でもどこでもできる仕事ではなかったとお施主さんに現場に通いつつ見てもらったことも大切なプロセスでした。
色々な出来事、人と繋がり子供たちの記憶として紬がれていく家
ここの処、寒さがゆるみ現場も順調です。
消費税が10%に上昇した事に伴う住宅分野の優遇措置の締め切りや補助金の締め切りが年度末の3月。
会社としては9月決算ですがそうは言っても確定申告もあり
税理士さんは毎年3月は顔色が優れないにも関わらず毎年変わる税制と消費税の件もあり今年は一層大変そうです。
対応に追われる官庁や公の仕事をしてくれている担当者もこの時期はピリピリしていて気の毒な雰囲気でいつもは年度末を意識しない私達も今年は否応なく3月は期日順守をしなければならない仕事があります。
塩尻市で工事中の住宅は足場が外れました。
加工から苦労してくれた大工さん根羽村さん屋根やさん
勾配が4方向で異なるヒノキの柱を中心とした寄棟の屋根は日本の風景に馴染み
どこか懐かしく可愛らしいまるで祖父母のような佇まい。

昨年の1月6日に新月伐採したヒノキ材は
家の中心にすわり
唐松の柱は加工を経て板材になりキッチンカウンターテーブルとして毎日暮らしの中で生きて行きます。
1年以上の年月をかけて漸く人の手を経て使う事が出来る木の命を大切にしていきたいものです。全ては繋がっている者と感じる日々
詩人白井明大さんによる、二十四節気七十二候の歌こころカレンダー
を最後の一枚をめくると春の訪れと共に終わってしまった寂しさを心から感じ、今更ながら季節毎の言葉に慰めてもらったり気が付いたり日常の一部になっていたことを思い知りました。
しかしどこを探しても売り切れで今年のカレンダーは諦めるしかなさそうなのでまた来年は見逃さず買い求めようと決意を固めたのでした。このカレンダーは2月4日の立春始まり、上から節気、時候、そこに当てはまる日付が並び、最後にその季節に合わせた白井さんの歌が詠まれます。その言葉に励まされていました。
